老人ホームってどれも一緒?
こんにちは。kurumiです。
今日は老人ホームについて書きたいと思います。
家族が介護が必要になり、でも家で介護するのは難しい……。そんな時に「老人ホームを探さなきゃ」と思いますよね。どこでもいいからすぐに見つけたい。そう思われるかもしれません。
「老人ホーム」って一括りにされている感じがありますが、どれも一緒ではありません。
病院のソーシャルワーカーやケアマネがついている方はそれぞれ相談できると思いますが、最終的に選ぶのは家族です。それ以外でも老人ホームを紹介してくれる会社もあります。
では、何を基準に老人ホームを選ぶのでしょうか。
まず、金銭的な問題もあると思います。これから何年間払い続けられるのかということを考えなければなりません。
そして、老人ホームは終の住処になるかもしれない場所です。これから最後の時までどのように過ごしていきたいのか、その方の病状のことも考えて選ぶのが大事だと思います。
お看取りまでを希望されるのであれば、看取り対応可能の施設を探さなければなりませんし、医療依存度の高い方でしたら、24時間看護師常駐でなければならない…。認知症の方でしたら認知症対応型の施設を探します。
私が介護の仕事を始めた頃に比べたら、今はそれぞれに特化した施設が増えてきたと思います。医療依存度の高い方、難病の方に特化した施設も増えました。
介護度が低い方でしたら施設でのレクリエーションが充実しているとか、リハビリに力を入れているとか、現在の体の状態を維持し、かつ、楽しく生活できることを提供している施設を選ぶのもいいと思います。ただその場合、介護度が高くなってしまうと退去しなければならない所もありますので注意が必要です。
現在の病状や、今後どのような状態になるのかを予測した上で対応できる施設を探せればいいのですが、簡単に探せない場合や入居待ちをする場合もあります。その場合は、一時的に入所できる場所を探し、その間に長期で入所できる施設を探すこともあります。
その方の状態に合っていない施設を選ぶと、病状が悪化することもあるので、病気のことを知った上で施設選びをしていただければと思います。
老人ホームの種類 『公的施設』
では、老人ホームってどんな種類があるのでしょうか。
まず、『公的施設』と『民間施設』の2種類があります。
『公的施設』とは、地方公共団体や社会福祉法人が運営している施設です。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 軽費老人ホーム(ケアハウス)
- 養護老人ホーム
*軽費老人ホームは比較的介護度の低い方向け、養護老人ホームは介護施設ではないのでここでの説明は割愛させていただきます。
特別養護老人ホーム
『特養』と呼ばれている施設で、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。利用費用が安いので人気がありますが、申し込んでもすぐに入居できるとは限りません。なぜなら入居待ちをしている方が多いからです。
2019年の厚労省の調査で全国で約29万人の方が待機しているとのことです。そして入居は申し込み順ではなく、『緊急性が高い』方を優先しています。終の住処として入居される方がほとんどなので空きが出にくいのも待機期間の長さにつながっています。
特養を利用できる方は『65歳以上で要介護3以上』で『身体上、精神上の障害があり、常時介護が必要な方』『居宅での生活が困難な方』等、条件があります。要介護1、2でも特例で利用できる場合もありますがそれも条件があります。
特養を申し込むのであれば
- 1か所だけでなく、何か所か申し込む。
- 申込書の特記事項を詳細に記入する(自宅での介護が困難な理由等)
- ショートステイを何度も利用する。
1つの施設ではいつ順番が回ってくるかわかりません。何か所か申し込んで少しでも早く順番が回ってくるようにするのも手です。
『緊急性が高い』ことも重要なので、自宅での介護の難しさを詳しく書いてアピールしましょう。
ショートステイを何度も利用すると、職員も状態が把握できます。施設側としては初めての方よりも慣れている方のほうが受け入れやすいのです。空きが出た場合に優先順位を上げてもらえる場合もあります。
介護老人保健施設
『老健』と呼ばれている施設で『在宅復帰を目標に医療やリハビリを行う短期入所施設』です。なので入所期間は3〜6ヶ月程度です。長期の入院後、自宅での生活に必要なリハビリを受ける施設です。
自宅での介護が難しい方は、老健入所中に入居できる施設を探すこともあります。
介護医療院
2018年に新設された『日常生活を送るための介護サービスと、長期療養のための医療を提供する施設』です。I型とII型に分かれます。
『介護療養院I型』…重篤な身体疾患を持つ方や、容態が急変するリスクが高い身体合併症を有する認知症の高齢者などが対象。
『介護療養院II型』…I型と比べて容態が比較的安定している方が対象。
介護療養院はまだ数が少ないのでお近くにない場合もあると思います。介護医療院は介護療養型医療施設が廃止(2024年3月に完全廃止)になり、そこに入所されている方の新たな受け入れ先として誕生した背景があります。
メリット
- 喀痰吸引、経管栄養が必要な重度の利用者も利用できる。
- 看取り、ターミナルケアにも対応。
- 理学療法士や作業療法士が配置されているため生活機能向上のためのリハビリが受けられる。
デメリット
- 費用が高い。入所が長引けばトータルの費用が高額になることもある。
- プライバシーの確保が難しい。個室ではなくパーテーションで区切られている場合もある。
簡単ですが、以上が公的施設の説明になります。
次回は民間施設について書きたいと思います。