こんにちは。kurumiです。
前回は老人ホームの「公的施設」の説明をしました。今回は「民間施設、住宅」について説明したいと思います。
老人ホームにはいろいろな種類があると前回も書きましたが、選び方を間違ってしまうと、その後の生活に支障が出てしまいます。
それぞれの施設の「特色」に、入居される方が合っているのかを見極める事が大事です。
介護付き有料老人ホーム
特定施設入居者生活介護の指定を受けている介護サービスがついた有料老人ホームです。
「特定施設入居者生活介護の指定」って何?って思われる方も多いと思います。介護の仕事をしていなければ出会わない言葉ですね。
「特定施設入居者生活介護」は、厚生労働省の定めた基準を満たしている施設で受けられる介護サービスです。その施設のスタッフがサービスを提供します。この指定を受けていない施設では介護サービスは外部の事業所が提供することになります。
自立の方から介護度の高い方まで受け入れ可能ですが、施設によって違いますので、あらかじめ調べておく事が必要です。医療依存度の高いかたの受け入れをする施設も増えてきましたが、どこまで受け入れ可能なのか確認する事が必要です。
老人ホームは「生活の場」でありますが、「共同生活の場」でもあります。自由に生活されたい方には窮屈に感じられる施設の「ルール」があります。どこまでなら許容できるか考える必要があります。入居されてから「こんなはずじゃなかった」と思わないように、慎重に選んで欲しいです。
新型コロナウィルスが発生してから、施設での生活もガラリと変わりました。以前はゲームをしたり、お菓子を作ったりと大勢で楽しむイベントが盛んでした。今は「感染予防」のために大勢で楽しむイベントも少なくなってきました。定番の「風船バレー」も風船を何人もの手が触れると言うことで控えている施設もあります。。それでも、それぞれの施設で工夫をしてレクリエーションを行なっているので、見学に行かれた際はどのようなことをされているのか聞いてみるのもいいと思います。
住宅型有料老人ホーム
自立の方や介護度が軽い方対象。掃除や洗濯、食事提供、買い物といった生活支援のサービスがついた有料老人ホームです。
介護が必要な場合は外部の事業所が行います。必要な分だけ、サービスを利用できるので費用は抑えられますが、24時間体制の介護は受けられません。
最近は施設内に訪問介護事業所やデイサービスを併設しているところも増えてきました。併設された事業所を利用してもいいし、別のところを利用しても構いません。ケアマネージャーと相談の上、決めていただければと思います。
サービス付き高齢者住宅
住み慣れた地域で安心して暮らせる住まいとして、バリアフリー構造で設計された住宅。生活相談、安否確認等のサービスを提供しています。賃貸借契約を結んで利用するので、一時金を用意しなくても利用できます。
サ高住は「一般型」と「介護型」があります。
「一般型」は基本的に介護を必要としない方を対象。
「介護型」は厚生労働省が定める「特定施設」に指定されているため、施設内のスタッフから介護サービスを受ける事ができます。
「一般型」では介護度が上がってしまうと十分な介護をサービスを受けられない恐れがありますので、将来の健康不安がある方は「介護型」を選択するのもいいと思います。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症を患った高齢者が少人数で支援を受け、共同生活を送る住居です。
1つのユニットは5〜9人までで、1つのグループホームにつき、ユニットの上限は2ユニットまでです。最大でも18人までしか入れません。
認知症の方は環境の変化に対して不安を感じやすいため、少人数で「馴染みの関係」を作り、心身の状態を穏やかに保ち、安定した生活を送る事ができる住居として位置付けられています。
共同生活の場であるため、掃除や洗濯などの家事はスタッフが補助しながら自分で行います。
*注意点……医療ケアは原則行わない!
グループホームには看護師などの医療職員を配置する決まりはありません。服薬介助、バイタル測定などの最低限の医療的サービスはありますが、積極的な医療ケアを受けることは一般的には不可能です。持病のある方は対応できる環境があるか確認してください。
こんなはずじゃなかったと思わないために
「公的施設」「民間施設」どちらを選ぶにしても、今の状態や今後の状態を考えて選ぶことが大事です。有料老人ホームに入居される方の中には、まだ介護が必要ではないが、身寄りがなく、何かあった場合1人では心配なので入居される方もいらっしゃいます。
例えば「趣味の園芸を続けたい」と思ってたのに、できる環境ではない事もあります。何を、どこまでできるのか、施設によって違いますので施設見学の際に確認してください。
今の生活スタイルに合った場所を優先するのか、今後介護が必要になった場合を考えて選ぶのか、金銭的なことも含め、慎重に選んでいただきたいです。
介護度の高い方、医療依存度の高い方も、今後の病状の変化に、その施設がどこまで対応してくれるのか確認が必要です。今まで入居者していた施設を退去して、他の施設に移ることも可能ですが、探すことも大変ですし、慣れ親しんだスタッフと離れる事もストレスになることもあります。
介護側も、できれば最後の時まで介護したいと言う気持ちがありますが、その施設では対応が難しいため、他に移られる方もいらっしゃいました。
全ての希望が叶う施設を探すのは難しいと思いますが、「こんなはずじゃなかった」と思ってしまわれるのは介護側にとっても辛いことです。できれば人生の最後の場所は穏やかに過ごせるところを選んで欲しいです。