認知症について

こんにちは。kurumiです。

今日は認知症について書いていこうと思います

認知症の種類

認知症には大きく分けて4種類あります。

① アルツハイマー型認知症

② レビー小体型認知症

③ 脳血管性認知症

④ 前頭側頭型認知症

一般的に「認知症」と言うと①のアルツハイマー型を思い浮かばれる方も多いと思います。実際にアルツハイマー型と診断される方の割合も多いですが、アルツハイマー型と診断されたにも関わらず、後からレビー小体型と診断される方もいらっしゃいます。

なぜそのような事が起こるのか。

初期の段階で判断するのが難しいケースだったり、レビー小体型に詳しい医師が少ないということもあるようです。

アルツハイマー型認知症

脳の中にアミロイドβなどの「脳のゴミ」と呼ばれるタンパク質が溜まってしまい、脳細胞が変性し死滅してしまいます。脳の海馬や頭頂葉などが萎縮して症状が現れます。

主な症状として

① 物忘れなどの記憶障害

② 自分の居場所がわからなくなる「見当識障害」

その他にも、片づけた場所を忘れてしまい、誰かに盗まれたと思い込む「物取られ妄想」や

服の着替え方、食べ方、排泄の処理の仕方など、今まで出来ていたことが出来なくなる、やり方がわか

らなくなる「失行」という症状もあります。

買い物に出掛けて家に戻る道が分からなくなり、歩き回ってしまうことを「徘徊」と言われていました

が、意味もなく歩き回るわけではないので、最近は「徘徊」という言葉を使わない様、表現する動きも

出てきています。

認知症に限らず、誰でも知らない場所、知らない人ばかりのところにいれば、自分が知っている場所を

まず探すと思います。記憶障害があるので、見慣れた場所でも知らない場所に見えてしまうのかもしれ

ません。幹線道路などを歩いていると他県まで続いてしまうので、見つかるまで時間がかかったり、行

方不明のままということもあるようです。

レビー小体型認知症

脳の神経細胞にできる特殊なタンパク質をレビー小体と言います。レビー小体がたくさん集まる場所

で神経細胞が破壊され、命令がうまく伝達されなくなります。

後頭葉は視覚を司る場所ですが、そこにレビー小体が集中して発症すると「幻視」の症状が出て現実に

はないことを言い出したりします。

私が今まで関わってきた方の症状を見ると、その方の今までの生活に由来する幻視が多いです。

例えば趣味でゴルフをされていた方は「ゴルフの打ちっぱなしの音がしてうるさい」とか、

飲食店を経営されていた方は「この肉はどこに置いたらいいのかしら?」とか。

その方にはその映像が見えているとのことなので否定はしないでください。かえって混乱を招くことに

なります。その方の世界に合わせて返事をすることで、不安が取り除かれることがあります。

その他に、パーキンソン病に見られる症状が出たり、睡眠障害が出ることもあります。

幻視が多く出現して、パーキンソン症状が出にくい方もいれば、パーキンソン症状が多く出てくる方も

いらっしゃいます。

血管性認知症

脳梗塞や脳卒中、くも膜下出血などの脳の疾患が原因で、症状としては「記憶障害」「判断力障害」

「感情失禁」「運動障害」「嚥下障害」「排泄障害」「言語障害」など、脳の損傷部位によって出現す

る症状は変わります。

1日の中でも記憶の変化に波があるので「まだら認知症」と呼ばれることもあります。

前頭側頭型認知症

前頭葉、側頭葉が萎縮し、血液の流れが滞ることで発症します。

前頭葉は思考、感情のコントロールを司る場所で、側頭葉は言葉の理解や聴覚、味覚を司る場所です。

どちらも人格を形成する上で重要な場所です。その場所が損傷してしまうため人格の変化や異常行動

が現れると言われています。

罪悪感がなくなり、万引きや痴漢などの行動も見られるため、精神疾患と間違われることもあるようで

す。

私はこの認知症の方のケアに関わったことがないため、残念ながら詳しく書くことはできません。

有料老人ホームに入居されても、他のご入居様の生活に影響があるような症状があると、対応すること

が難しくなりご退居願う場合もあったり、最初から入居を断るケースもあるようです。

若年性認知症

65歳未満で発症。平均51歳前後での発症が多く見られます。まだ現役で仕事をされている方が多い

ため認知症と思われず、うつ病や更年期障害と間違われるケースが多く、発見が遅れてしまうようで

す。6割が血管性かアルツハイマー型と診断されるようです。

最近は若年性の方を受け入れる施設も増えてきましたが、現状としては高齢者用の施設でのサービスが

ほとんどなので、20〜30歳の歳の差があると話し相手もできず、なかなか馴染めないこともあった

りします。認知症ではあるけれど、高齢者と違い体力もあるので、高齢者対応のサービスでは気の毒な

気がします。若年性認知症の方専門にサポートしている団体もありますがまだまだ少なく、行き場がな

いため高齢者施設でサービスを受けるのが現状です。

介護の現場はいろいろな問題が山積みですが、若年性認知症の方の対応も考えていかなければならない

課題と思います。

認知症の方への対応について

① 共感する

「さっきも言ったでしょ」「何度も言わせないで」「また忘れたの」「いい加減にしてよ」

同じことを何度も聞かれてうんざりして、つい上記の言葉を言ってしまいがちですが、本人は本当に忘

れてしまったので聞いているのです。「さっきも言った」は通用しませんし、何度も聞いているつもり

もありません。その言葉を聞いて傷つき、かえって認知症が悪化する原因にもなります。

言われたことを忘れても、感情は残ります。人間の脳はネガティブな感情が強く残ると言われていま

す。否定されたという感情は残るので、否定はしないでください。

大変かもしれませんが、何度も同じことを伝えてください。

② 自尊心を傷つけない

認知症で見られる行動や発言を否定し、赤ちゃん言葉を使う方もおられると思いますが、物忘れがあり

、出来ないことが増えても赤ちゃんではありません。何十年も人生を歩んでこられた方なのです。

自尊心が傷つけられたと感じれば他者とのコミュニケーションも減り、うつ症状が出ることもありま

す。出来ないことがあっても否定せず、「こうすればうまくいくかも」とヒントを与えてやっていただ

く、それでも難しい時は出来そうなことをやっていただき、出来ないことは手伝う。全部やってしまう

のは最終手段として取っておいてください。

どの種類の認知症でも、ご本人のペースに合わせた対応や意思確認をするコミュニケーションが必要で

す。ご自宅で介護をされていて、どのように対応したらいいかわからない時は、ケアマネか、使用して

いるサービスの管理者に相談してみてください。その場にあった「言葉がけ」を教えてくださると思い

ます。

認知症の方も、介護している方も、それぞれ気持ちが伝わらず、イライラすることもあると思います。

その時は一旦距離を置いて離れることも必要です。

例えば、施設では食後の歯磨きを嫌がる方もいらっしゃいます。声をかけてすぐにやっていただけるこ

ともありますが、その時の気分により拒否されることもあります。その時は無理強いせず、一旦離れ、

時間を置いて再度声をかけるとうまくいくケースがよくあります。

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